窓から見える景色もどかしく、遠くにあるような白い意識が、蝉吟に解かされて、私は今どこにいるのかを思い知らされる。降車駅は既に手の届かないところにあり、後悔も罪悪感も潮の香りを漂かせ、陽炎のように蠢いている。別れを告げる間もなく、虹色に過ぎ去る景色を見て、夏を感じ、海を感じ、私は学校のチャイムの、何もかも終わったような香りをどこか遠くで感じ取った。
9/25/2024, 12:41:01 PM