伊古野わらび

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「どうして」

母が呆然としながら窓の外を眺めている。
一月にあるまじき暖かな陽光が、母とリビングを照らしている。
暖房に頼らずとも、心地よい室温だ。

「どうして」

母は手にしていた豚バラ肉のパックを抱えつつ叫んだ。

「豚汁にしようと思っていたのに、何で今日はこんなに暖かいの!」

寒い日だからおいしいのに!

恨めしそうに空を睨む母を横目に、わたしはのんびりと緑茶を啜った。

「いつ食べてもうまいよ、母さんの豚汁」



お題『どうして』

1/14/2026, 12:12:52 PM