みさねこ

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お題:鋭い眼差し

背後から、鋭い眼差しが突き刺さる。

小学生の頃、私は店内で躓き飲み物をこぼした。

それだけなら拭けば済む話かもしれない。
ただ、
こぼしただけでなく、人様の持ち物にかかった。
となると、親からすれば、これはとても大事。

すいません、すいませんと親が頭を下げる…
自分もわざとでは無いとはいえ、やった張本人。
必死に頭を下げる…それは情けなく、泣きながら。

相手の方は、すぐ着替えれるから大丈夫だと、
気にしないでいいと言う。
それはもの凄く優しい人だった。

その場が落ち着いて、店から去る時、
親は顔を鬼のようにし、自分を睨む。

その後は普段通りの家族であったが、
家に帰るまでの間、前を歩いている自分は、
常に後ろから、鋭い眼差しを感じながら、
振り向く勇気も無いまま、とぼとぼ帰った。

この日のやらかしと、親の顔はとても忘れられない

10/15/2024, 10:21:46 AM