ゆーき

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『最初から決まってた』
「まだ決まってないのか?」
自分の進路。どこにするかを同じ選択でずっと悩んでいる。
「お前、その3つに絞ってからどれだけ経った?」
「…半年くらい」
「誰よりも早くに絞ってたのになんでまだ悩んでるんだよ!」
悩むのがわかってたから早くに考え出した。だが、絞ってきた段階で気を緩めてしまった。友人は後から考え出したがとっとと決めて一点集中の段階に入った。
「うーんだってさ、金銭的にはこっちがいいけど、距離とか諸々はこっちが良さそうだし…」
「じゃあ、もう一つのこれは?」
「それは、まあ、興味的には一番あるけどそれだけだし…」
「なんだよそれ」
「なあ、どうしたらいいと思う?」
「知るかよ!そこまで悩んでんならとっとと自分で決めろって!」
それができないから聞いてんのに。
「他のやつにも聞いたんだろ?他はなんて言ってたんだよ」
「親は金銭的なことは大事だと思うけど好きにしろって。他も金銭的に良いほうがいいんじゃねって」
「じゃあそれにすればいいじゃん」
「いや、でもなー」
家族にも友人たちにも聞いては悩んでいる自分は聞いても意味がないのかもしれない。
「お前、本当は決まってるんじゃね?」
「え?」
何をいうか。決まってたらこんなに悩んでないよ。
「一回、周りとかその先とか考えずにこれってのを考えてみたらどうだ?」
そんなこと言われたら、アレしかなくなっちゃうじゃんか。
「お前、今これ見たな。じゃあ、これにしろよ」
「いや、でもさ…」
「興味だけで最後まで残ってんならほぼこれで決定してるようなもんじゃんか」
そう言われればそうかも。これでもいいのかな。
「……うん。とりあえずこれを第一にしとく」
「はあー、やっと進んだな」

8/8/2024, 2:01:10 AM