みくもはお布団に包まれたまま、目を覚ました。
まだ夜なのだろうか。置き時計のある方をじいっと見つめたが真っ暗でよく見えない。喉もかわいたし、少しお腹も空いてきている。しかし布団から出るのはめんどくさいなとみくもは思い、そのまま目を閉じた。
「みくも、見てご覧。とっても良い景色だよ」
上から誰かの声がした。
「私は眠たいの」
みくもは目を閉じたまま答えた。しかし数刻後、何だか気がかりで、少しだけ目を開けてみた。
そこはいつもの自分の小さな部屋ではなく、満天の星空が広がっていた。いつの間にか山頂に置かれたベッドの上でみくもは仰向けになっていた。
これは夢なのだとみくもは直感で理解した。
何故ならみくもの住んでいる世界では、こんなにも沢山の星が夜空に浮かぶことはないからだ。
(あ、流れ星。綺麗ね。ずっと見ていたいけれど、夢だから一瞬で終わってしまうわね)
みくもの思った通り、夢はすぐに消え去っていつもの朝がやってきた。
みくもはベッドから起き上がると窓のカーテンをあけた。眩しい程の朝日が差し込んでくる。
「さて、今日も一日頑張らないとね」
そう独り言を言うと、みくもは寝室を出て行った。
1/3/2024, 4:59:00 PM