Haru

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夢が醒める前に言わないといけない

君とまた出会えることはもう無いと思うから
6:00になる前に伝えないと

明日にはまた、姿が変わってしまう

僕は夢の中の重要人物で、毎晩君が考えた登場人物になって夢の中のストーリーを君と作り上げているけど、君の考えているシナリオに不満がある時は無理やり僕が方向性を変えるせいでカオスになったりもする。

先月は初恋の先輩から告白されたいというシナリオを押し退けて先輩が総理大臣になる夢に変えちゃったっけ。

昨日の僕は君にとって1番のトラウマのピエロで、怖がらせてしまったりと嫌な思いにさせちゃうことも多いけど

今日の僕は『君にずっと前から恋している1人の青年』

タイムリミットまであと3分

君の好きな人の姿になったり、推しのアイドルの姿になったこともあったっけ。

君は夢の中だけでもと大胆にアタックしてきたり、僕の気持ちを聞き出そうとしてきていたけど、僕は無理やり夢を変えたり、タイムリミットまで時間を稼いだりとのらりくらり躱してきたね。

だけど、最近の君の考える夢は真っ暗闇や怖い夢ばかりで、現実で上手くいっていないのかなって勝手に思ってる。

久しぶりに見た、少女漫画にあるような校舎。
今はもう放課後で、太陽も西に傾き始めてる
いつも夢の最後には放課後2人きりで教室に残っているけど、このシチュエーションで告白されるのが夢なのかな?


こんな事を考えていたら残り時間はあと1分

いつも避けてきた分、忘れられると分かっていてもなんだか緊張する

大きな深呼吸をして、君の名前を呼ぶ。
振り向いた君に向かって僕は口を開いた。


『貴方のことがずっと前から好きでした。』

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ピピピピピピピ

うるさい目覚まし時計を止める。彼に返事をする前に目覚まし時計に起こされてしまった。もう一度寝てみようかとも考えたが頭は完全に冴えているため仕方なく朝食を食べにリビングへと向かう。

「あら?今日は寝起きがいいんじゃない?いい夢でも見たのかしら?」
キッチンから母の声が聞こえてくる
「うん、久しぶりにいい夢が見れたの。えっとね…」
忘れる前に母に話そうと思っていたが、もう彼の名前も、顔も声もハッキリとは思い出せなくなっていた。

「忘れちゃった笑」

もしまた同じ夢が見れたら、その時は夢が醒める前に君に想いを伝えるね。



『夢が醒める前に』

”最後まで読んでくださりありがとうございます”

3/20/2024, 4:36:52 PM