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あいつは、わたしにキツい。

学級委員長の癖に。他の子には優しい顔する癖に。
いつも、わたしには「バカ、邪魔」「なんでそんなにトロいの?」「どっか行って」とかキツいことばっかり言ってくる。

そんなにわたしが嫌いならあいつがどっか行っちゃえばいいのに。

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今日はいつにも増してあいつがうるさいし、なんか変だ。

わたしが友達のクラスに行こうとして、廊下ですれ違う時、英語の授業であいつとペアワークする時、今教室で掃除してる時。

「嫌い」って、

ついに直接嫌いって言ってくるようになったかって、なんか感心したけどやっぱりムカつく。

わたしだってお前のこと嫌いだよ。って言ってやりたい気分だ。

ほら、今だって隣で
「嫌い、どっか行け」って

「掃除だから無理、わたしが先生に怒られる。」
「うるさい、やっぱりあんたなんか嫌い。」
「嫌い、嫌い、嫌いってうるさい!わたしもお前のこと嫌いだよ!小学校の頃から!」
「…!」

はじめてわたしが反抗したからか知らないけど、あいつ驚いてる。しかもちょっと泣きそう、もう中学生なのに。

「…ょう…つ…日」
「なに」
「…今日!4月1日!エイプリル!フールっ!」

って言い残してあいつは、ホウキを置いて教室から飛び出して行った。

「あれ、どこ行くの?、掃除は?!」って
クラスの子が驚いてる、あいつがあんな取り乱すことなんてないから。

「ふふ…」
でもそんなこと気にならない位、わたしはいい気分だ。今思うと、あいつの行動は小学生の男子みたいなものだった。

「そうだ、いいこと思いついた。」
あいつがいつ教室に戻ってくるか知らないけど、ちょっとしたイタズラをしてやろう。

あいつが今まで私にしてきたことに比べればこんなこと許されるはずだ。

わたしはあいつにメッセージを送った。
エイプリルフール。嘘をついていいのは午前までらしいが、今はそんなことお愛顧だろう。
あいつの反応が楽しみ。


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わたしだってお前のこと嫌い!

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「愛情の裏返し」

8/22/2024, 10:45:08 AM