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胡蝶の夢、という有名な説話がある。
夢の中の蝶として空を舞う自分が現実か、いま夢から覚めた人間の自分が現実か、だれもわからないという考えだったと思う。
幼かった頃聞いたこの話を、大人になってもずるずると思い出してしまうのは、私も本当は蝶だったらいいのにと幼心に羨んだから。しょーもないな、自分。
随分と大人になったいまでも、私は蝶が目の前を飛んでいったらつい目で追いかけてしまう。白い羽根をふらりふらりと動かしながら風と舞う蝶。それが自分の本体だったらいいのにと空想するのを、どうしてもやめられないでいるのだ。

あーあ、人間ってやだな。ちっさい人生。

5/10/2024, 10:21:46 AM